五稜郭―幕末対外政策の北の拠点

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執筆 : kitora

田原良信

同成社

2008.5

1890円


「五稜郭はどこから攻められても死角のないように作られた」とはよく言われるが、実際には戦争で使われてはいない。

榎本武揚らが蝦夷地に上陸した時、五稜郭には明治政府から任じられた知事がいたが、危険を感じて箱館を脱出。榎本らは五稜郭に無血入城した。 

そして、箱館戦争終結時。降伏をもって終戦となり、五稜郭で白兵戦が行われることはなかった。

五稜郭が戦争で用いられなかったのは、「戦争には向いていなかったから」というのが著者の主張だ。

函館市教育委員会で長年箱館奉行所の復元に取り組んできた著者は、五稜郭はあくまでも役所である、とする。それを踏まえた上で五稜郭の意義を考えてもらいたいとするのが本著の意義だ。

著者は2005年の箱館奉行所跡の発掘調査にも携わっており、本著ではその時の様子や発掘成果が写真入りでかなり詳細に説明されている。

図書館などには報告書が置かれてはいるものの、なかなか市民も他地域の方も入手できるものではないため、こうした形で奉行所跡発掘の成果が本として残ることは良いことではないだろうか。

 







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