函館を舞台にしたミステリー

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函館恋唄殺人事件

木谷恭介

徳間文庫

2007.11


ミステリの分野では、国内各地を舞台にしたシリーズものを得意とする作家が多い。旅行と殺人事件とは結構相性がいいし、比較的有名な観光地を背景に選ぶことで読者も安心して読める、要はとっつきやすい、すなわち「手堅く売れる」という商魂もあるのだろう。

旅行ミステリーというジャンルは事実としては存在するようで、斉藤栄、西村京太郎が発行点数、知名度からいうと両巨頭か。

というわけで、今回は函館恋歌殺人事件。正直いって、大失策。たしかに殺人事件勃発の場所が函館市椴法華の水無海浜温泉で、かつ被害者も函館のホステス。警視庁の警部の聞き込みがなぜか、函館元町や外人墓地周辺の喫茶店だったりするのだが、まあそれだけの話に過ぎない。

な にしろ殺人事件解明の筋道も、動機や手法もほとんど何の工夫もない、函館を背景に選んだ理由も不明で、したがってその背景を生かすようなストーリー展開も ない。残念ながら、時間つぶし以外の目的ではお勧めできないしろもの。なお、なぜかこの本は結構売れているらしく、いままでに出版社を変えて4種類も出版 されている。最新が徳間文庫版。写真のように函館の夜景をカバーにあしらった、ちょっとスタイリッシュな装丁ではある。

この「本」のコーナーはとにかく「函館」と名のつく本は片っ端から紹介するという野心的試みなので、質はともかく量的に圧倒的(と思われる)このジャンルに属する本を一括して取り上げる。

函館・宮崎日南殺人旅情 (祥伝社文庫) 斎藤 栄 (文庫 - 2001/7)

函館・江差旅情殺人 (光文社文庫―二階堂特命刑事調査官シリーズ) 斎藤 栄 (文庫 -2003/5/31)

●函館駅殺人事件(光文社文庫) 西村 京太郎 (文庫 - 1990/2)

十津川警部捜査行 1 北の事件簿 (ジョイ・ノベルス)西村 京太郎(新書)(2003/9)

●函館恋唄殺人事件 (徳間文庫 宮之原警部シリーズ) 木谷 恭介 (文庫 - 2007/11/2)

函館殺人事件―旅情ミステリー (祥伝社文庫) 木谷 恭介 (文庫 - 2005/2)

●愛の立待岬―京都・函館殺人事件 (講談社ノベルス) 山村 美紗 (新書 - 1991/10)

函館‐上野」特急殺人 (広済堂文庫) 峰 隆一郎 (文庫 - 2002/6)

特急「エルム」函館殺人事件 (広済堂ブルーバックス) 峰 隆一郎 (新書 - 1991/8)

盛岡・函館、背徳の殺人ルート (ジョイ・ノベルス) 金久保 茂樹 (新書 - 2002/10)

●函館・芙蓉伝説の殺人 (徳間文庫) 深谷 忠記 (文庫 - 2002/8)

鈴蘭伝説の殺人―札幌・函館5・5・5(カッパ・ノベルス) 深谷 忠記 (新書 - 1990/1)

函館・追憶の殺人海峡 (ジョイ・ノベルス) 矢島 誠 (新書 - 2003/6)

海峡の暗証―函館着4時24分の死者 (講談社文庫) (文庫) (1996/6)津村 秀介 (著)

函館五稜郭の闇 (ケイブンシャ文庫) (文庫) 長井 彬 (著) (1991/2)

函館・立待岬の女 (ノン・ポシェット) (文庫) 斎藤 澪 (著) 祥伝社 (1989/10)



このうち筆者が読んだ(という確かな記憶があるのは)のは●の4点。ただし題名が紛らわしいことと、印象の薄さからこれ以外にも読んだような気がするが定かではない。







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