高城高の新作「函館水上警察」

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函館水上警察

高城高

東京創元社

2009.8

 


 

函館出身の「幻のハードボイルド作家」高城高の新作。明治20年代の函館をバックに水上署(後に西警、現在は臨海研究所)が担当する港がらみの事件を扱っている。

 

当時の通船(かよいぶね)や沖仲仕の実態、遊郭の話、そして千島方面へのラッコ「密猟」、毎年避暑に現れるイギリス艦隊など、当時の函館の姿、特に「国際都市」の様子がよく書き込まれていて、函館の歴史に関心あるものにとってもなかなか楽しい。

専門誌「ミステリー!」に連載された作品の再録だが、最初の3編がなぜか結末を迎える前にぶっつり終わっていて、その解決が4作目で一気になされるという構成も面白い。

作者は大学在学中にハードボイルド作家としてデビューしたがその後沈黙。2006年に70歳を過ぎてからの復活。過去の作品の復刻も出て、その後精力的に史実を下敷きにした「ハードボイルド」を発表。

復活第一作(ミステリーズに掲載)の「坂の上の対話」は前に紹介している。この作品も今回のハードカバーに収録。

カバーの挿絵は多分、明治20年代の写真をモチーフにしたものと思われるが、これもなかなか乙。







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