2010年11月アーカイブ

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イザベラ・バード紀行

~「日本奥地紀行」の謎を読む

伊藤孝博

無明舎出版

2010年8月

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本文中、函館に関する記事は往き還りのそれぞれの滞在を併せ約40ページ。

嵐の中で未明に青森から函館の東浜桟橋に着いたバードが、税関が開くまで待たされた経緯、そして聖公会のデニング牧師宅へ向かう場面の描写。

函館に滞在中の街の印象。そして当時の駐在外国人との交際の様子。

それぞれの場面に著者独自の調査や推測を交えて、バードの見た明治の函館が甦ってくる。

無明舎出版は秋田の地方出版社だが、こういう東北・北海道の歴史を丹念に掘り起こした著作を多数発刊している。その志に敬意を払いたい。

11月23日(文化の日)に開催される講演会「情報と記憶-書物の未来」(講演会シリーズ「文化と編纂」の当日、会場受付で講師の著書を販売します。 長尾真氏(国立国会図書館長)と保立道久氏(東大史料編纂所元所長)という「知の巨人」御二人が一同に会するという稀な機会をご堪能後にじっくり購入を検討することをお勧めします。 なお、著書も函館市内ではなかなか目にする機会のないもの。

 

保立道久氏著

 

かぐや姫と王権神話

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平安時代-日本の歴史(3)

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長尾真氏著

電子図書館 新装版


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「わかる」とは何か

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書物と映像の未来

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なお、当日はマルチメディア推進協議会が発行している「函館古地図カレンダー」の販売も予定されています。

 

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ウラジオストクから来た女

  ~函館水上警察

高城高

東京創元社

2010年9月

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明治の函館を舞台に、水上警察署を中核に活動する男たちを描くハードボイルド作家高城高著の「函館水上警察」シリーズ第2弾は「ウラジオストクから来た女」。

明治20年代の函館港にはロシアからの船舶の往来も盛ん。ウラジオストクからやってきたロシア籍をもつ謎の美女が街を闊歩。そして周囲に巻き起こる事件。明治初頭の大火のどさくさに紛れて起こった夫婦殺人事件と、ひとり生き残った娘のその後の流転の生涯。函館とウラジオストックを結ぶ糸が当時の北方海域の交易の有様を交えて描写されていく。

当時の函館の港から元町・弁天界隈の風景と人情を活写する筆者の腕のさえは前作同様。現在の函館に生きる私たちに100年前の函館を見せてくれる。

著者あとがきによれば「函館水上警察」シリーズは今回で完結とか。残念。でも他のテーマで是非この前後の時代の函館を書き綴ってほしいものだ。

ちなみに表紙カバーの絵が前回に続きすばらしい。函館の往時の町並みを巧みに描きこんでいる。

 

 

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