書と音楽のコラボ、書と写真のコラボ、書と陶器とのコラボなど、書道という枠組にとどまらずに、自らの感性と発想で自由に書を表現している、書家の長谷川青穂(せいすい)さん。その活躍には目をみはるものがあります。
その長谷川さんに、書というものに対する自らの考えを訊いてみました。
3歳で書道を始めたという長谷川青穂さん。だが、それは親から押し付けられたものでした。それでも、書を続けているうちに自分に無くてはならないものとなり、書道教室で教えて書というものへの関わりを持っておりました。
しかし、その時の書は、自分にとっては既成の世界の中で悩み苦しむものでした。これしかないとわかっていても、書いていても楽しくない、苦しいばかりだと感じていました。それがある時を境に考え方ががらりと変わったのです。
「何も難しく考えなくてもいいのだ、書を楽しめばいいんだ」と考え始めたのです。「70歳くらいの方はそのように楽しんでいらっしゃいますね。そして、その方の書は生き生きとしているんです」と、長谷川さんは話す。「自分の場合、それが早くわかって良かったと思っています」
それ以降の長谷川さんは、書道という枠から脱け出し、ひとつの文化、ひとつの芸術として積極的に文字を表現するアーティストとなったのです。先日金森ホールで開催された「SWING MEN 7」でも即興の書を披露されました。
自分の作品を形にする時、文字や形に合うように背景となる紙の模様・デザインを自ら作成したり、薄い墨を使用した文字と濃い墨で書いた文字のカップリングで強弱を表現しようとしたりと、今まで私達が見てきた書という概念を打ち砕くものを次々と創り出しました。
だが、作品を発表するだけでは「筆文字」という文化は伝わっていかない、と長谷川さんは考えます。どうしても敷居が高く、敬遠されがちな筆文字をもっと身近に感じ楽しんで欲しい、と精力的に書道教室を開催し、今では市内で7ヶ所、月に1度札幌でも生徒さんに書の楽しみ方を伝えています。
「ある程度の基本は必要だけれど、その次は自由に書いてもらってその人の個性を伸ばしてあげることが大切だと思っています」と、話す。「決して正しい書き方なんてない。芸術に正解がないように」しかし、文字は人に伝えるためにあるものだから、大きく文字の形を崩してしまいたくないとも考えています。
文字文化の崩壊が進んでいる中、筆文字をもっと人々の身近なものにしたいという長谷川さんは、どの流派にも属さず自分の信じた道を歩んでいます。こんな素敵な書家に教えてもらう機会がある函館市民は幸福であるはずなのですが、「小学校4年で習字が必修科目になると生徒さんが増えるのですが、授業が終わる6年を終えるとやめてしまうのが残念」と話す。
誰だってきれいに文字を書けたら楽しいものです。下手より上手の方がいいに決まっています。それを長谷川さんと楽しく学んでいけたら、何と素晴しいことでしょう。子供のための習い事ではなく、親子で一緒に筆文字を楽しんで学ぶのも、いいものかもしれませんね。
長谷川青穂さんが開催している市内の書道教室の会場は、
函館市地域交流まちづくりセンター(十字街)、昭和教室、はこだて工芸舎(元町)、東光寺(北斗市)、本通ギャラリー はことれ(本通)、むげん空間 小春日和(八幡町)、カフェまるせん(湯川町)の7ヶ所です。
それぞれの開催曜日、時間、月謝等については、直接長谷川さんへお問い合わせください。
お問合せ先 / 090-8906-7109(ご本人)
*写真撮影/menkoshin

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