2011年11月アーカイブ

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今回のカレンダーでひときわ異彩を放つのは蝦夷島全図。一見して北海道を描いたとわかる人はかなりの地図マニア。
最下部に描かれる下北・津軽の両半島(かなり歪んでいるが)とその少し上の「箱館」の文字でやっと、これが現在の北海道地図だとわかる。
今回、この図を強く推奨したK教授は、その奇怪な輪郭線と鮮やかな彩色に惹かれたという。

しかし仔細にみていくと、海岸線に沿って書かれる岬や湾はかなり正確で、びっしり記入された地名も同じく詳細にして正確。さらに主な山の位置・名前もかなり的確だ。

江戸時代後半(1800年代前半)まだ内陸の道路の開削が進んでいなかった当時にあっては、交通手段はほぼ沿岸の舟運。そういう時代航路しかなかった当時の蝦夷では、この程度の図面で実務上は支障がなかったのであろう。要は次の寄港地と目印になる半島や遠望する山が特定できれば足りたということだ。

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                       函(箱)館付近の拡大図。エサン、汐首岬、亀田などの地名も見える

古地図カレンダーは ハコダテ150ショップ(ネット)でも販売中です。
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2012年版、函館古地図カレンダー。拡大したことで判別できた店名、他の地図から類推できた店の名前を記してみた。

レンカ堂は現在地は別のところに。開文堂(書店)は廃業。辻印刷も別の場所で営業中。

それにしても、栄枯盛衰がビジュアルではっきりわかる。
  
古地図カレンダーは11月15日から販売開始。市内の販売箇所などの情報は



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111108kt01.jpg2010年10月、函館の繁華街・五稜郭地区の

外れにオープンした飲食店「haru-na-tei

(はるなてい)」。電車通りに面した小さな

店だが開店以来主に口コミで人気となり、

主婦層からサラリーマン、若者まで幅広い

層が日夜集い、会話に花を咲かせる。

 

そんな光景をカウンターからニコニコと

見守りながら厨房に立つのが店主の

上村春奈さんだ。「何の店?と聞かれるのが

一番困ります(笑)。よろず屋かな?」と本人が

明かす通り、メニューはコーヒーからカクテル、

おつまみから定食まで幅広い。仕入れから

接客、調理、経営まで店のすべてを1人で

取り仕切っている。

手に取った女性たちから「えっ、かわいいー」と声が上がるカラフルな器の数々。

陶芸用クレヨンで描いた大胆な線と、絵の具と釉薬で色付けしたそれは、

まるでパッチワークのよう。函館市内で陶芸工房「スタジオクレイノート」を主宰する

石川久美子さんの作品だ。

111102kt01.jpg一度目にしたら忘れられない特徴的な

作風は、「ほかの作家さんが作って

いないものを作りたい」と試行錯誤して

たどり着いた。

花やしずくのモチーフと日本の古典的な

柄との組み合わせを多用しており、

北欧のデザインや和柄を見て研究して

いる。購入した客からは「見ていると

明るくなる」「元気になる」と好評だ。 

 

幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷

高木崇世芝他執筆

発行:INAX出版

発行日:2010.6.15

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幕末の探検家、「北海道」の名付け親、松浦武四郎を特集した本がINAX出版から出ています。この出版社は製陶メーカーINAXの関連会社ですが、PR臭のない、建築・まちづくり系の分野の良書を多数出版しています。

私は、来年の古地図カレンダーに松浦武四郎の「千島一覧」(といっても実際には、北海道に樺太・千島を含む大規模な鳥瞰図)を制作する過程でこの本に遭遇しました。

蝦夷の探検家として有名な武四郎ですが、地図制作や著述でも膨大な仕事を遺しています。「一畳敷」とは彼が自宅の一隅に建てた本当に「一畳」しかない書斉。そこには彼が遍歴した各地で収集した部材が多数使われています。さながら木材の博物館。

この本の、特に注目すべきは、本の装丁です。途中から紙質が変わったり、写真のように大判の紙面が現れたりします。この絵図は、双六仕立ての蝦夷地案内。出発点にはもちろん函館が登場します。

ここまで凝った本造りには昨今なかなかお目にかかりません。蔵書として一冊手許においてい置きたくなる逸品です。





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