本の情報の最近のブログ記事

冬季間、補修工事などで休館だった旧相馬邸。3月17日から再開しています。
展示物も新企画がありますが、注目はかつて函館にあった出版社・幻洋社の在庫本の
販売を始めたことです。
したの写真は、同社が1991年から99年まで隔月で発行していた函館の街情報を
ふんだんに詰め込んだ小冊子「HAKODADI」。発行された48号のうち若干の欠番
がありますが、それでも43冊と大半が揃っています。

毎号の特集記事をみると

1 レトロ函館銀座通り

3 函館洋館物語

12 函館商売往来 商いの顔は看板にあり

14 わたしの映画館

22 はこだて石碑散歩(西部編)

23 銭湯へ行こう

31 再見「商工函館の魁」

34 函館掃苔録住吉墓地に眠る人々


など、結構現在にも通づる、なかなか面白いテーマが並びます。


IMG_0750.jpg



「箱館歴史散歩の会」を主宰する函館の郷土史愛好家・中尾仁彦(とよひこ)さんによる著作。

2010年に自費出版で発行した「箱館はじめて物語」を改訂したもので、

「項目別」だったものを「時系列」に並び替えたのが改訂の大きなポイント。

表紙も美しい写真になり、前作が自費出版だったのに対して改訂版は出版社による

商業出版になっています。

120321kt.jpg

肝心の中身はと言うと、函館の歴史を高田屋嘉兵衛から時系列に沿って、

幕末、明治、そして昭和へとたくさんの「日本初」や「北海道初」を紹介しつつひもとくもの。

幾つかの項目をご紹介すると・・・

「北海道最初の貨幣鋳造」「北海道最初の書店」「北海道最初の活動映画館」などなど。

 

郷土史に関する多くの本のように堅苦しくなく、文章も平易で誰にでも読みやすい

「入門書」的な内容になっているのが特徴。

さらに、「なぜ函館のお盆は7月なのか」「通夜よりも火葬が先に行われる理由」となど、

函館市民でも「昔からそうだから」としか答えようのない疑問に関しても考察されているなど、

大変興味深い一冊になっています。

 

市民にとっても、また旅行者や全国の「函館ファン」にとっても、より深く函館を知るための

貴重な一冊と言えそうです。

 

新函館ライブラリより、2012年3月に発行。限定2000冊で、函館市内限定で発売中。

四六判(128mm×188mm)208ページ、1冊1000円(税込み)。電子版も発行されています。

書籍の取扱店は以下の通り(2012年3月21日現在、五十音順)。

栄文堂書店
加藤栄好堂七飯本店、美原店、北斗店
カフェダイニングJOE
ギャラリー村岡
旧相馬邸
公立はこだて未来大学生協
小春日和
三省堂川原店
大文堂
TSUTAYA函館鍛治店
函館国際ホテル
函館市地域交流まちづくりセンター内喫茶店DripDrop
函館大学生協
箱館高田屋嘉兵衛資料館
函館元町ホテル
函館山ロープウェイ山麓駅
北文館MEGAドン・キホーテ店、函館駅店
みかづき工房
モーリエ

幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷

高木崇世芝他執筆

発行:INAX出版

発行日:2010.6.15

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幕末の探検家、「北海道」の名付け親、松浦武四郎を特集した本がINAX出版から出ています。この出版社は製陶メーカーINAXの関連会社ですが、PR臭のない、建築・まちづくり系の分野の良書を多数出版しています。

私は、来年の古地図カレンダーに松浦武四郎の「千島一覧」(といっても実際には、北海道に樺太・千島を含む大規模な鳥瞰図)を制作する過程でこの本に遭遇しました。

蝦夷の探検家として有名な武四郎ですが、地図制作や著述でも膨大な仕事を遺しています。「一畳敷」とは彼が自宅の一隅に建てた本当に「一畳」しかない書斉。そこには彼が遍歴した各地で収集した部材が多数使われています。さながら木材の博物館。

この本の、特に注目すべきは、本の装丁です。途中から紙質が変わったり、写真のように大判の紙面が現れたりします。この絵図は、双六仕立ての蝦夷地案内。出発点にはもちろん函館が登場します。

ここまで凝った本造りには昨今なかなかお目にかかりません。蔵書として一冊手許においてい置きたくなる逸品です。






 

静かな大地

松浦武四郎とアイヌ民族

花崎 皋平

岩波書店

2008/2

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幕末の蝦夷地、南千島。南樺太を探検すること5回。それまでは海岸沿いの情報しかなかった蝦夷地の内側まで足跡を残し、詳細な記録や地図を残した松浦武四郎の足跡を彼の「蝦夷日誌」を解きほぐしながら叙述。当時の山河の様子やアイヌの平和な生活の叙述は新鮮。

各地のアイヌとの接触・交流を通して当時の松前藩などによるアイヌの酷使・抑圧に気づくにつれ、武四郎の筆致は厳しさを増し、ついには公権力への批判・告発に至る姿が浮かび上がってくる。

ロシア人が千島列島を南下してきた最初の時期でもあり、武四郎自身もクナシリあたりでロシア人に接触している。後には日露の樺太・千島の境界確定問題にも繋がる当時の現地の情勢がよく理解できる。

武四郎の蝦夷の旅はしばしば函館を基点としており、当時まだ小規模ながら、蝦夷の海運の拠点として一定の役割を果たしていた情景も登場。

筆者は北大の教官から道内の市民運動に転じ、アイヌなどの「先住」民族問題に関わる中で、武四郎の先駆的な業績に気づいたという。200年前を論じる中で現代をも照射する警世の書。

日露関係とサハリン島~幕末明治初年の領土問題

秋月俊幸

筑摩書房

1994年

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最近サハリン(樺太)についての著作を渉猟中。

松浦武四郎の事績を調べている途中で、偶然手にしたこの本「日ロ関係とサハリン島」に感動した。

0701-11 017.jpgかなり分厚い学術書なのだが、体系的な著作の極めて少ない、徳川幕府中期から明治までの日本とサハリン(樺太)の関わりを論じた好著。日本政府・外務省の公式見解ではいまだに「帰属未定」とされるサハリンに関わる日本とロシアの交渉と対立の歴史がつづられている。

1854年に勃発したロシア皇帝からのの「サハリン占領」計画とそれへの対応(軍事衝突一歩手前)、そして明治初期の「樺太・千島交換条約」交渉の舞台裏。さながら良質のミステリー小説を読むような劇的な展開が時折あらわれる。

 
 

はこだて写真帳
北海道新聞社
2010年12月

北海道新聞社が昨年11月発行した「はこだて写真帳」。同紙の地域情報版「みなみ風」連載された函館の古写真のシリーズにさらに増補・編集を加えたもの。
0701-11 002.jpg函館は中央図書館の「古写真」コレクションが有名だが、本書ではさらに、市内の公的機関や個人の収集家などから提供をうけた画像230枚を収録。
 
 

朝日新聞社が主催する大佛次郎賞の37回目の受賞が、渡辺京二氏の「黒船前夜~ロシア・アイヌ・日本の三国志」に決まった。

150+サイトの本の紹介で取り上げたものだけにひときわ嬉しい。

函館と北海道の歴史を理解する上で必読と思われる画期的視点を提供。そしてほとんど小説的な「面白さ」がこの書の身上だ。未見のかた、この機会に是非。

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函館物語

函館物語

価格:630円(税込、送料別)

辻仁成著の函館物語は、函館で青春時代を過ごした辻仁成が、函館に1週間旅行をし、旅行ガイドブックなどに書かれていない函館の違った顔を見つけようとするノンフィクションです。文章ともに80枚以上の写真がフルカラーで収録されています。

辻仁成が旅行をしたのは1996年6月。私が函館に来て3年目で、函館の魅力が判ってきたころに、この本に出会い、益々函館好きになっていきました。

それから14年の年月がたちました。久しぶりに頁をめくると、14年の間、ほとんど変わらずにある物も多くありますが、今は無くなってしまった懐かしい風景が写っていたりもします。函館物語の写真に写っている風景が今どうなっているのかを無性に調べたくなってきました。

以前なら、1週間かけて、辻仁成が歩いた道を追って、写真を撮らなければなりませんでしたが、現在は、ストリートビューで、居ながらにして風景を見ることが出来ます。そこで、掲載されている写真のストリートビューを集めてみました。

函館物語には、写真がどこで撮られたのかについては一切書かれていませんが、ジモピーの感でかなりの写真について場所が特定できました。

函館物語をお持ちの方は、是非、見比べながらお楽しみください。また、もし誤りや追加情報がありましたら、コメントに書いていただけるとうれしいです。




函館物語掲載写真のストリートビューなど

2010年7月25日版

ページタイトル説明確度[URL]
1消火栓青柳町方面 立待岬方向D
4函館山末広町23-9 ホテルニューハコダテ屋上函館山山頂方向(函館教会とカトリック教会が見えます)C[URL]
8大森浜宇賀浦町6-10 アモリーノ付近から立待岬方向(特徴的なマンションが映り込んでいます)A[URL]
12大森浜宇賀浦町15-6 福田海産付近?湯の川方面C[URL]
16巴座大森町17 巴座駐車場前交差点(今は駐車場になってしまいました)A[URL]
20ひし伊宝来町9 ひし伊前A[URL]
24阿佐利宝来町10-11 阿佐利本店前A[URL]
28朝市若松町11-13 朝市仲通函館山方面A[URL]
29笹流ダム赤川町313 笹流ダム付近B[URL]
32カリフォルニアベイビー末広町23-15 A[URL]
49穴間海岸付近 D
50ひし伊宝来町9 ひし伊A[URL]
52旧丸井さん末広町16-1 二十間坂電車通り交差点函館市地域交流まちづくりセンター方向(旧丸井さんは函館市地域交流まちづくりセンターとなっています。)A[URL]
53井上米穀店宝来町4-12 井上米穀店前交差点A[URL]
54函館山ロープウエイ N
54パーマ店 N
55廃墟末広町16-1 末広町1交差点南A[URL]
56犬と女の子 N
57山頂駅元町1-4 元町配水場函館山山頂方向(台風で杉の木がだいぶ倒れました)C[URL]
58茶夢若松町9-15 店内(旧店舗)A[URL]
60笹流ダム赤川町313 笹流ダム付近A[URL]
62カリフォルニアベイビー末広町23-15 A[URL]
64ヨットハーバー大町15 B[URL]
64相馬倉庫大町11 C[URL]
65落書き N
66旧尼崎製罐函館工場末広町22-9 (2001年に解体され、ウィニングホールに建て替えられた)A[URL]
66函館水上警察署大町13-1 (解体され2007年に函館市臨海研究所に建て替えられた)A[URL]
67子供 N
68廃墟 N
70ガソリンスタンド弁天町15-2 C[URL]
71太刀川家住宅店舗弁天町15-15 A[URL]
72日和坂大町20 北海道第一歩の地碑A[URL]
73エビス商会前末広町17 A[URL]
74祐鮨前宝来町22-13 A[URL]
75東春前松風町2-12 A[URL]
75月夜 N
76五島軒末広町4-5 大町の間A[URL]
76旧丸井さん末広町4-19 (現在は函館市地域交流まちづくりセンター)A[URL]
79北斗ビル前電柱末広町17 十字街方向C[URL]
80外人墓地先入舟町21 B[URL]
96 N
97 N
111教会 N
113来来軒末広町16-3 店内A[URL]
116松源宝来町21 (2005年に閉店)A[URL]
120土蔵 N
121レンガ塀 N
123ベンチ N
124護国神社前青柳町9 入口階段の左側ヨハネ教会方向A[URL]
125博物館横青柳町17-1 入口左側函館山方向A[URL]
126函館教会元町31-19 A[URL]
127旧ロシア領事館船見町17-3 A[URL]
128入舟漁港石積入舟町14-14 N
129入舟漁港 N
130コンクリート建造物 N
131コンクリート建造物 N
132函館市文学館末広町22-5 A[URL]
133マンション屋上南部坂上付近? C
134おばあちゃん N
136函館湾入舟町18 A[URL]
137 N
140路地入舟町付近 N
141行き止まり N
144山背泊2 N
145エントツ N
148 N
149外人墓地船見町24 函館山方向A[URL]
152 N
152旧渡邉家住宅元町15-28 (大正10年建造)A[URL]
153八重桜 N
156 N
157旧函館麦酒会社醸造所谷地頭町24 正確な場所は不明(函館の建築探訪P104の写真と一致)B[URL]
160 N
161女の子 N
164ポスト入舟町23-7 三浦商店前高龍寺方向A[URL]
166住吉漁港入口青柳町38 漁港方面A[URL]
168旧函館博物館ニ号館青柳町17-4 N
170立待岬住吉町 南西方向A[URL]
172ラメゾンドカンパーニュ時任町28-8 A[URL]
173十字街末広町10-2 道銀前江口眼科方向A[URL]
176岸壁末広町24-6 西波止場前B[URL]
178少年刑務所金堀町6-11 B[URL]
179木造建築物 N
180十字街末広町10-2 道銀前坂本龍馬記念館方向(ホームファニチャーマカベは坂本龍馬記念館になりました)A[URL]
181旧丸井さん末広町10-2 道銀前函館市地域交流まちづくりセンター方向A[URL]
182住吉漁港無線所青柳町40 C[URL]
183住吉グランド青柳町35 A[URL]

この情報は、函館コンシェルジェの推定に基づくものであり、正確性は保証しません。
ページ数は、集英社文庫第1刷(1996)に基づいています。
確度A:場所特定、B:ほぼ特定、C:不確実、D:憶測、N:特定できず

 最近出たビジュアル誌に「箱館戦争」を取り上げたものがあったので購入。

幕末のペリー来航から薩英戦争、馬関(下関)戦争、そして箱館戦争までの4つをテーマに、わかりやすいCG(コンピュタタグラフィックス)を多数載せて解説を加えている。箱館戦争のページでは弁天台場をめぐる箱館港内の本格的海戦の様子や、今年7月オープンの五稜郭の奉行所の再現などがあって興味深い内容。(ちなみに奉行所のCGを見ると今回の復元は往時の1/3の規模の部分復元(縮尺は同じ)であることがよくわかる)

幕末史に興味ある方には必見かも

CG日本史シリーズ

黒船と幕末動乱

双葉社

http://www.futabasha.co.jp

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閉ざされて

篠田真由美

角川書店

2010/1/30

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