鉄道・船舶の最近のブログ記事

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小説を、映画を、鉄道が走る

川本三郎

集英社

2011.11

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映画評論家・川本三郎が、鉄道を素材にした映画評の集大成を刊行。

北海道関係では、飢餓海峡と海炭市叙景がそれぞれ一章をなしているが、関連の話題はすこぶる豊富で、他の映画評や小説、ミステリーなど川本三郎の博覧強記が存分に発揮される。

白眉は「飢餓海峡」に登場する下北半島の川内森林鉄道と岩内から函館本線に連絡していた岩幌線。いずれも廃線だが、川本の筆によってその過去の姿が鮮やかに描き起こされる。

1980年代から多くの鉄道線路が廃止されていく。いまや大正時代の線路網にまで後退しているというのも驚き。廃線の増加と道内に過疎地が増えるのとは軌を一にしている。

映画ファン・鉄道ファン限らず、広い層から賞賛を受けそうな佳作。

世界の船舶事故史上でも遭難者の規模で最大級の「洞爺丸」遭難は昭和29年9月26日の出来事である。その翌年8月に発刊されたのが「台風との斗い」。事故の関係者が中心となり、生存者からの聞き書きや当日の諸記録を渉猟して編んだ書である。奥付けに「非売品」とある本書は遭難職員の遺族や関係者など限られた方々にのみ配布されたらしく、その後も増刷されることもなく、ながらく稀稿本として一部の関係者にのみ知られる存在であった。それが、NPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」の知るところとなり、同会が運営する図書館「いるか文庫」が所有する原本から復刻再刊されたのが本書。

再版は原書をスキャンする方法で元の本の文字組や活字をそのまま再現、よみにくい部分は赤字で注を施すなど、非常に綿密な作業を経ている。

未曽有の暴風雨に立ち向かった多数の連絡船の乗員の姿が描き出されているこの本を通じて、私たちはあらためて自然の猛威の「人知を超えた」エネルギーにあらためて気付かされる。そして、その猛威を前に旅客の安全確保という崇高な職責に殉じた多くの乗員の行動にあらためて粛然とする。

奇しくもこの復刻版が世にでる2か月前に東北大震災そして福島原発事故という「未曽有」の災害に見舞われた我々にとって、この書の発する悲痛なメッセージはあらためて心を刺す。

 

復刻版「台風との斗い」頒価2,000円。

「台風との斗い」小冊子(カラ―表紙)300円・・・復刻版購入者には無料進呈

注文先:いるか文庫ライブラリーショップ

 

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(白地表紙が本書、後ろは記念展示会用小冊子19ページ)

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(原本のイメージ)

 

 

 

北海道 化石としての時刻表

柾谷洋平

亜璃西社

2009年 


1985年生まれの大学院生が書いたこの本。単なる時刻表マニアではない、若いが正確な歴史認識と想像力を兼ね備えた人物による、北海道の鉄道史。

青函連絡船

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執筆 : X-103 

青函連絡船

坂本幸四郎

朝日イブニングニュース社

ISBN4-02-219121-X

 

今月の特集が青函連絡船ということもあり、この本を紹介したいと思います。

海峡の記憶

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海峡の記憶‐青函連絡船

白井朝子

舵社

2000.2


1988年廃止された青函連絡船の姿を記録に留めた写真集。函館駅から連絡船乗船口へいたる空中回廊(!)など、今は喪われた懐かしい場面が数多く収録されている。

 おんなひとりの鉄道旅  東日本編

小学館文庫  2008年7月発行


鉄路に魅せられた人々を 鉄男 鉄子 と呼ぶようになったのはいつ頃か。

執筆 : kitora 

路面電車新時代―LRTへの軌跡

服部重敬

山海堂

4410円

2006.05


函館がテレビドラマや映画の舞台として使われる時、かなり多くの割合で路面電車が映像の中に登場する。最近では2008年公開の映画「犬と私の10の約束」でも函館市電530号が使用された。

執筆 : X-103 

交通ブックス211

青函連絡船 洞爺丸転覆の謎

田中正吾

成山堂書店

1998.3

ISBN4-425-77102-8

1954年9月26日、台風15号(別名 洞爺丸台風)による強風と高波により函館港外で洞爺丸をはじめとした5隻の青函連絡船が一夜のうちに沈没し、乗客・乗員合わせて1430名の命が失われるという日本の海運史上最悪の海難事故が発生しました。

軍艦甲鉄始末

中村彰彦

新人物往来社 2005.12.25

 


 箱館戦争で官軍側海軍の旗艦となり、幕軍を圧倒した米国から輸入した装甲軍艦が「甲鉄」。

この本はこの艦の不思議な運命を縦軸に、幕末から明治初期の日本の海軍の歴史をひもとく。

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