はっきり言って公会堂や旧英国領事館のような煌びやかさは殆どありません。和風建築の部分も高級料亭のような豪華さはありません。庭園も京都の時の実力者が凝って造らせたものには遠く及びません。
しかし、建物内から市街地を眼下に見ると、相馬哲平氏の唯一の贅沢がそれだったのではないかという想いになります。本州の歴史ある豪奢な建物を見た人からすると、質素という感じがするでしょう。そういう想いになれるのが下の写真にある二階の場所です。
さて、正門より邸内に入るとまず目にするのがこのような光景です。
右上の扉は洋館応接室に続くものですが、ここから入ることはできません。別の入口があります。また、左上の和室は一階のほぼ中央に位置し、ここから左右に様々な部屋へ移動できます。そして、この旧相馬邸の展示物の目玉となるのがこれです。
これは1750年頃の江差の模様を描いたと言われる、小玉貞良作の「江戸屏風」であります。蝦夷でのアイヌ人描写で有名なのは蠣崎波響ですが、それ以前にアイヌ人描写を確立した人として大変貴重な屏風であるものです。
貴重と言えば、江戸三舟と呼ばれた勝海舟・高橋泥舟・山岡鉄舟の掛軸・書簡なども展示されています。
山岡鉄舟の掛軸と書簡。なお、掛軸が掛けられている所は仏間であります。信じられない大きさです。
左、勝海舟の書のある屏風。これは土蔵に展示されています。右、高橋泥舟の掛軸。また、同じ「しゅう」でも「州」の方を使っている西郷南州隆盛の掛軸もあります。(左下)
右上は約8mもあるアイヌ絵巻の一部です。これらは全て現オーナーの所有物を展示しているのですが、江戸時代や幕末に関心のある方には堪えられませんね。
こちらは洋館応接室の様子。左上のテーブル5点セットもとても高価な物。何故かは邸内で説明を聞いてください。
土蔵には屏風の他、下のような物も陳列されています。
左上、更科源蔵の文に岩船修三の挿絵を絡めた童話。紙芝居のように楽しんでください。右上は葵の御紋入りの木箱とその引き出しから出て来た桐御紋入りの布。どうしてなのかは皆さんそれぞれで考えてみてください。
また、現代ではあまり見られなくなって物が変形して見えるガラス窓や見事な模様と材質の欄間なども見ごたえがあり、楽しませてくれます。
最後に、保存維持の関係上、函館港側の庭は解放されないとのことですので、特別に撮影させていただいた庭からの光景をご覧ください。なお、邸内各所の写真はほぼ毎日のペースで当サイトの「ハコダテ写真館」にアップしますので、そちらもご覧ください。
一般公開は6月1日からで、AM9:00~PM5:00の公開、第一・第三木曜日が定休日となっております。入館料は大人500円、シニア(65歳以上)は400円で、2名以上で入館するとそれぞれ400円と300円とお安くなります。
所在は函館市元町33番2号、電話 0138-26-1560、ホームページはhttp://wwwe.ncv.ne.jp/~soumatei/
また、宿泊施設もあります。詳しくは上記連絡先まで。下は1名様用洋室の内部。

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