初めて函館を旅したころは、道のわきに立つ黄色い消火栓に興奮したもの。「何これ、かわいい~!」 その時はてっきり街を飾るオブジェ的なものかと思いましたが、本当は函館の街をがっちり守る頼もしい存在なのです。
道外にあるような「地下式消火栓」では、積雪の時期などに素早く作業ができないため、昭和9年の大火の後に使用されるようになった「函館型地上式消火栓」。黄色のボディは、天気の悪い日や夜にもくっきり目立つのがいいですね。
ところが、ときどきこんなレンガ色の消火栓を見かけることがあります。これは、塗り替え作業中のもの。今年は8月10日から塗装工事が始まっていて、もしかしたらどこかで「赤い消火栓」に出合うことがあるかもしれませんよ。
水道局関係の方に尋ねてみたら、函館の消火栓約3000本のうち、塗り替えられるのは毎年150本ずつ。ざっくり計算すると塗装が回ってくるのは20年に一度で、サビや汚れが目立つものもちらほらです。
塗り替えといえば、ちょっと気になるのが「あの消火栓」。
元町の八幡坂に見に行ってみました。
函館西高を背にして、坂の右手にある消火栓。無事でした。
これは、映画「ACACIA アカシア」の公開を記念して、主演のアントニオ猪木さんと監督・脚本の辻仁成さんのサインが書かれたもの。映画のロケに関連した函館観光PRのために期間限定で設置されているそうで、これは塗り替え計画とは関係なく、当初の8月末までの予定が、11月末までこのまま飾られるという話。
「塗りつぶされちゃうんですか?」ときくと、なんと取り外して交換するようで、じつは2人がサインしたのもこの場所でではなく、ホテルに新しい消火栓を持ち込んでだったとか。消火栓って付け替えできるんだって、今さらながら理解しました。
そういえば、「犬と私の10の約束」の田中麗奈さんのサインも青柳町の唐草館の前にありましたが、いつのまにかなくなっていました。どこかに保管されているのかもしれません。
こういうサインを見ると、心ない人が落書きしたりしないかが気になりますが、「函館市民や観光客の方はマナーがよくて、今までそのような報告はありませんよ」という嬉しいお答え。市民の生活を支えるとともに、観光の顔のひとつとしても活躍する消火栓、改めてじっくり眺めてみてはいかがでしょう。

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